Barakanさんお薦めの新作映画
番組でBarakanさんがお薦めしていた新作映画。
Inside Llewyn Daivis
邦題「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 」
Only Lovers Left Alive
映画の話をちょっとしようと思ってね。「Only Lovers Left Alive」というJim Jermuschの映画、まだやってるかな?? まだかろうじてやってると思うんですけど、何人かのかたからメイルもいただいてて、実際に自分でも観てみたんですけど、Jim Jarmuschらしくというか、変わってる、ちょっとおもしろい映画なんです。
ふたりの吸血鬼の話なんですけど、数百年前から恋人関係になってるふたり、Tilda Swintonと、男のほうが・・・今資料が手もとにないんですけど。彼がミュージシャンになっていて、今の世の中の展開のしかたにすごく嫌んなって。
ふたりは最近あまり会ってないんだけど、彼がデトロイトにいて彼女はモロッコのタンジールにいるんですけど、最初は彼女がデトロイトに来て、一緒に住んでるんだけど、ちょっと事件があって。あんまり詳しいこというと映画を観る楽しみがなくなっちゃうから。ふたりがタンジールに戻るんですね・・・
あんまり詳しいこというのやめよう。でもJim Jarmuschの映画が好きな人だったら絶対におもしろがると思います。
(※2014年1月8日(水)のよりぬきBarakan Morning 9:00-10:00より。9時18分ごろの発言)
さよなら、アドルフ
Barakan 番組の冒頭でもちょっと話しましたが、今日は映画のチケットのプレゼントがあります。土曜日から公開される「さよなら、アドルフ(※原題:Lore)」という映画です。これはかなりおもしろかった。
1945年、第2次世界大戦がちょうど終わったその瞬間ぐらいで始まる映画なんです。部隊はドイツ。すぐに出てくる家族は・・・あんまり詳しいことをいうと観る楽しみがなくなっちゃうんだけど、これはもうナチスのかなりエリートだっていうことがわかるんですね。
お父さん、お母さんも刑務所に入んなきゃいけないことがわかってて、お父さんはさっさと逃げちゃった。子どもたちは10代で、14歳ぐらいのお姉さんと、その妹と、ふたりの小さい弟かな。子どもたちだけで900キロかなんか離れているおばあちゃんの家までたどり着かなきゃいけない。交通手段はなにもなくて、基本的に森を歩いて渡んなきゃいけないという大変なことになってしまうんですね。
その子どもたちの試練の話でもあるんだけど、子どもは誰でもそうなんですけど、音父さんお母さんのもってる価値観ていうのは絶対だと思うじゃないですか。
稲葉 そうですよね。
Barakan 大きくなって、少し疑いをもつことはもちろん誰でもあるもんなんですけど、基本的には小さい時に、植えつけられたっていうのはちょっと語弊があるかもしれませんけれど、そうゆう価値観をもつものなんですね。この子どもたちもナチスの価値観が正しいと思いこんでるんですね。
途中でユダヤ人がどんな目に遭ったかっていう写真をそのお姉さんは目にするんですけど、そこで初めてちょとt「えっ、こんなことがあるの??」って疑いをもち始めるんですね。それでもなかなかやっぱり潜在意識にまで入ってるような価値観がそんなにぐらつくわけではないけれど、彼女がどうやって目覚めるかっていうような話もあります。
子どもたちの具体的な話でもあるんですけど、プロパガンダっていうのはいつの時代でもどこの国でもあるもんですよね。
たとえばアメリカのBush時代の、イラク戦争が10年ぐらい前に始まった時のアメリカのプロパガンダ、これもおそらくちっちゃい時にそうゆうのを毎日テレビで観てた人っていうのは、対テロ戦争っていうのは正しいことだって思いこんでると思うんですね。この映画を観たらそうゆう人たちはどう思うのかっていうのがすごく興味があります。色んなレヴェルで観ることができる映画なんですけど。
意外なことに監督が女性なんですけど、オーストラリア人。
稲葉 オースト「リア」では なくて。
Barakan オーストラリア人。
稲葉 女性なんですよね??
Barakan そうです。Cate Shortlandという人なんですけど、セリフは全部ドイツ語なんだけど、普通は外国語で映画を撮るっていうのはすごい大変なことだと思うんだけど、全然そう思わせない、ホントに自然な演技だし、映像的にもすごくリアルなものがあります。これはかなりお薦めです。
(※2014年1月7日(火)のよりぬきBarakan Morning 7:00-8:00より。7時31分ごろの発言)
バックコーラスの歌姫(ディーヴァ)たち
愛しのフリーダ
アイ・ウェイウェイは謝らない
劇場公開日 2013年11月30日
原題 Ai Weiwei: Never Sorry
製作年 2012年
製作国 アメリカ
Directed by Alison Klayman
Written by Alison Klayman
Starring Danqing Chen, Ying Gao, Changwei Gu
さて、ここで土曜日から公開されている「アイ・ウェイウェイは謝らない」という、非常におもしろいドキュメンタリ映画をちょっと紹介したいです。このアイ・ウェイウェイ(艾未未)は芸術家としても有名な人だし、活動家っていうか、中国政府に対して毅然とした態度を示す、そうゆう活動も有名なんですけど。
もう2年ぐらい前から中国を出られない状態になっていますね、パスポートをとりあげられてしまって。3ヵ月弱ぐらい勾留されて、理由もなにもいわれずにずっとそのままになってたんですけど。釈放されたあとも一応普通に生活はしてるみたいなんですけど、国外には今出られない状態になっています。
2008年に四川省の大きな自身がありましたよね。いくつもの建物が崩壊して、その中に学校がいくつもあったんです。その時に亡くなった子どもたちの全員の名前を彼が調べてウェブに出したんですね。その何人が死んだかとかは一切中国政府は発表していなかったんですけど。彼がそれを発表したことによってずいぶん嫌がらせを受けたりも多かったんです。
北京オリンピックのいちばん大きな鳥の巣スタジアムという有名なもの、あれをデザインした人でもあるんですけど、デザインしたあとにオリンピックにすごく批判的なことをいったり、そうゆう複雑な人なんですけど、彼のことをアメリカ人の女性のAlison Klaymanという人が2008年からずっと、ちょうど友達が彼と一緒にプロジェクトをやってたかなんかで、それで初めて少し映像を撮り始めたんですけど、彼のおもしろさをすごく感じて、撮り続けてるうちに結局それがドキュメンタリに発展したという話です。
とにかく非常におもしろい、アイ・ウェイウェイという人も、芸術家としても活動家としても、どうゆう人間なのか観ててとてもよくわかります。ある時彼のところにいきなりトントントンって玄関に来て、ドア開けた途端に警察にバコンッと頭を打たれてすごいケガしたんですよ。入院してホントに大変なことになったんですが、ず~~っと映像も撮ってて。中国政府に謝らせようとしたんだけど、一切らちがあかないという、そうゆうことも映画によく出てきます。
とにかくもう公開中ですね。英語でいうと「Ai Weiwei : Never Sorry」というタイトルですけど、日本では「アイ・ウェイウェイは謝らない」というものです。
この曲を連想しました。Johnny Cash "I Won't Back Down"。
(※2013年12月2日(月)のよりぬきBarakan Morning 8:00-9:00より。8時30分過ぎの発言)